通関手続き、時間と費用はどれくらいかかる?手続きに必要な書類などを解説

2023.05.12

海上貨物で輸入を行う際の通関手続きについて、必要な書類や費用について一般的な手続きを解説していきます。貨物の内容によって、具体的な手続きは異なります。

私たちShippioは国際輸送を手配するデジタルフォワーダーです。通関に関して、詳しく知りたい方は弊社にお問い合わせください。

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通関業務については、「通関作業とは?|輸出通関・輸出通関それぞれの流れや必要な書類などを解説」にて解説しています。

通関手続き、自分でやるか、通関業者に任せるか?

通関手続きは、自身で手続きを行うか、通関業者に任せるかをまず選択する必要があります。輸入の通関手続きは煩雑であるため、はじめてだと非常に時間がかかる作業になります。そのため、通関手続きは、通関業者へ代行を依頼するのが一般的です。


通関手続きは、税関に対して関税を納付するだけではありません。

輸入する時点で、国内の法律の規定により販売の免許や許可が必要なものが多数あります。

具体的には、商品のおまけでついてきた小さなぬいぐるみひとつをとっても、食品衛生法に基づき、厚生労働省の検疫所に届け出が必要な可能性があります。


さらに、港に到着してからの国内配送も煩雑な手続きが必要となっているため、通関手続きと一緒に、国内配送を通関業者に代行を依頼することも多いです。

通関手続きに必要な書類

通関手続きに時間がかかるもっとも大きな理由の一つは、複数種類の貿易書類の用意が必要で、かつ煩雑であるという点です。最低限必要な書類としては、下記の5つのものが挙げられます。

 

  • Invoice
  • Packing List
  • Bill of Lading
  • Arrival notice
  • 貨物説明書

 

基本的に海上貨物で輸入する際は、輸入者自身で作成する必要はありません。

また、必要があれば、下記の書類なども追加で必要となっていきます。


  • 他法令の届出、承認書、許可証(食品衛生法、植物検疫法、動物検疫法など)
  • 保険料明細書
  • 原産地証明証

貿易書類にはそれぞれの着目事項があるため、ぜひ一度どのような書類か弊社記事をご覧下さい。

 

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特に書類で提出する際に必須であることは、「貨物の同一性が明白である」ことです。

「貨物の同一性が明白」とは、品番や個数などが全ての書類で一致していることを指し、通関業者は各書類の整合性を厳しくチェックします。


さらに、税番の決定を行うための情報の確認も重要になります。

貨物によっては関税法以外の他法令に関する正確な情報が必要となります。そのため輸入申告を行う際は様々な確認事項があり、非常に時間がかかるため、通関業者の利用をおすすめします。

通関手続きに要する期間

通関手続きに必要な期間は、貨物が日本に到着してから「平均2.6日」といわれています。

また、申告から許可までの通関所要時間は2.1時間です。

(財務省関税局「輸入手続きの所要時間調査第12回」2018年3月実施)


他法令に該当する貨物では、平均的に3. 6日です。該当しない貨物であれば、2. 2日のため、1. 4日間の差があります。


また、週末を含む場合、4. 4日、含まない場合は、1. 3日です。週末が含まれるか含まれないかで3. 1日の差が生まれ、期間が長くなることがわかります。

これらの日数はあくまでも平均的な日数であるため、書類の不備があれば、ここから書類の不備が訂正されるまで、無期限に時間がかかります。

通関手続きに要する費用

通関手続きに必要費用は主に以下4点が挙げられます。


  • 貨物の関税、消費税
  • 通関業者への費用
  • 税関検査料金
  • 他法令申請費用

2018年10月の法改正まで、通関業者への輸入申告料は最高1件11,800円でしたが、現在では廃止されています。

そのため、各業者への問合せが必須とはなっていますが、概ね今までの料金を踏襲した費用となっています。


税関検査料金に関しては、検査の種類が異なり、2万円〜10万円前後の金額になります。


貨物の関税に関しては、「輸入の関税を抑えられたら… 」で解説しています。

関税の金額は関税定率法で定められた税率により、定められています。webタリフで確認できます。

通関手続きは区分によって必要な時間が変わる

通関手続きは適正な申告を行うことで、回数を重ねるごとに早くなる可能性があります。

通関業者へ依頼する場合、NACCS(輸出入・港湾情報処理システム)により税関へ申告されています。NACCSでは3つの区分で判定されます。


区分1 簡易審査扱い (即時許可)

区分2 書類審査扱い (書類審査)

区分3 検査扱い (書類審査+税関検査 )

 

初回はほとんどの貨物が区分3になります。区分3は、税関からの検査が必要なので、審査期間が長くなる傾向があります。

LCLの貨物であれば、現物を確認する見本検査やダンボール全てをX線にかける全量検査などがあります。

コンテナ通関を行う際には、コンテナごとX線にかけるX線検査、コンテナを開けて貨物を確認する開披検査といった検査があります。

 

区分の決定基準は公表されていませんが、以下項目を参考に区分が変動するといわれています。


  • 輸入者コード(法人番号、税関コード、JASTPROコード)
  • 輸出者の情報
  • HS CODE 
  • 価格のレンジ
  • 他法令の必要な貨物

輸入の申告の予定がある場合には、法人番号の利用や税関コード、JASTPROコードの利用をおすすめします。

 

区分2では、税関の担当官が通関書類の確認を行い検査の有無を決めます。

このとき、書類上だけで、スムーズに許可が取れる場合もあります。区分3に変更となり、税関検査が必要となる場合もあります。

 

また、

・区分3のときに検査していた書類を参考資料として税関に対して提出する

・詳細な貨物説明を行っている

・関税額に誤りのない正確な申告ができている

とみなされた場合は書類上の審査のみで輸入許可となる場合もあります。


区分1は輸入申告後、すぐに輸入許可となります。

まとめ 通関手続きに要する費用・時間について

この記事では、通関手続きで必要な書類や費用について、解説しました。

貨物の内容や区分によって、必要となる書類や時間は大きく変わります。


私たちShippioは国際輸送を手配するデジタルフォワーダーです。通関に関して、なにかご不明な点がありましたらぜひ弊社にお問い合わせください。

 

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