自分でもワインの輸入を

2019-03-11

2019年はワインの輸入が熱いです!

“気軽にできる貿易”をテーマに必要な書類・手続き、知っておくべき用語。などを紹介していきます。今回はワインの輸入についてです。

最近、コンビニでも見かけるチリワインなど手軽で美味しいものが増えてきていますね。特に2019年はTPP11や2月に発効した日欧EPAなど自由貿易圏が拡大し、かつてなく海外のワインが手頃な値段で手に入るようになりました。
今回はワインの輸入を扱いますが、酒類の輸入は各国で規制が異なりますので、酒の輸入の際はまずはフォワーダーにご相談ください。

輸入ワインの現状

ワインの本場のイメージが強いフランス、イタリア、スペインなどのEUとのEPAではワインの関税は即時撤廃されます。日本は17年にEUからワインを約1500億円輸入しています。
冒頭にも出てきたチリですが、日本とチリのEPAが2007年の発効から12年間で関税を撤廃することになっているので、チリワインは2019年で関税がゼロになります。次にTPP11。予定どおり2019年に発効すれば、参加国のカナダやメキシコのワインの税率も多少は下がります。

関税に関してはまた別記事で詳しくご紹介しますが、関税は小売価格に直接影響します。インボイスに記載した価格(=輸入原価)に該当する税率がかけられます。例えば、チリワインは2019年2月現在3.5%の関税がかかっています。輸入原価が2000円のワインを500本輸入する場合、3.5万円の関税がかかり1本あたり70円かかることになります。EUの場合は輸入原価の15%か125円/Lの安い方の関税がかかっていました。関税撤廃はこれらがなくなることなのです。
日本経済新聞によると、イオンは2018年10月下旬、試験的に関税相当分を値下げしました。値下げした23品では、売れ行きが前年同期より8割増えたようです。

2018年の輸入量は

ボトルワインの輸入に限って言えば、チリは51,416KL、フランスが42,204KL、ポルトガル30,237KL、スペイン17,524KLです。この上位4ヶ国で輸入量の約85%で輸入総額の78.5%を占めます。そしてお分かりの通り、この4ヶ国は2019年に関税が撤廃される4ヶ国です(チリは2019年4月1日から撤廃)。

輸入の伸び代がある候補国としては、ワイン生産量を考えたときイタリアとオーストラリアがあげられます。イタリアは世界でTOP3に入るほどのワイン生産国ですが、日本への輸入は他のワイン生産国に比べれば少ないです。また、世界的なワイン生産地の一つであるオーストラリアも2021年にはワインの関税が撤廃されます。

ワイン輸入に関わる規制

輸入に関わる法律は酒税法、食品衛生法、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)・公正競争規約、資源有効利用法・容器包装リサイクル法があります。

ワインを輸入する場合、食品衛生法に抵触しないようにするには添加物や残留農薬基準に留意します。許容量は食品衛生法に基づく厚生省告示第370号「食品、添加物等の規格基準」で規定されています。

同様に食品添加物や使用基準が定められている物質の含有にも注意を要します。日本では使用が禁止されている発色剤、着色料、保存料等の食品添加物が使用されている場合があります。JETROが発表している過去の違反例は以下通りです。

ワイン: ソルビン酸の過量使用、二酸化硫黄(酸化防止剤)の過量残存
ワインクーラー: 安息香酸(保存料)の対象外使用
サングリア: 指定外甘味料であるアセスルファムカリウム、サイクラミン酸ナトリウムの含有、 サッカリンナトリウムの対象外使用など

また、過大な景品付販売や消費者に誤認されるおそれのある誇大・虚偽表示等はしてはいけません。プラスチック製容器、ペットボトル、分別回収促進のための材料識別表示が義務付けられており、輸入業者を含む特定事業者は容器廃棄物の再商品化が義務付けられています。

販売時の規制

【許認可】
販売場の所在地の所轄税務署長からの酒類販売業免許が必要です。小売する場合は一般酒類小売業免許または通信販売小売業免許が必要で、卸売の場合は洋酒卸売業免許または輸出入酒類卸売業免許などが必要です。免許申請手続きについては、最寄りの税務署の担当酒類指導官までお問い合わせください。ただし、酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場で飲用に供する業を行う場合には、販売業免許は必要ありません。

【表示】
酒類の輸入者(酒類販売業者)は保税地域から引き取る時までに輸入する酒の容器の見やすい箇所に、必要事項を表示しなければなりません。
通関港の税関収納窓口に酒類販売業免許証(又は通知書)の写しとともに以下の項目を記載した「表示方法届出書」を提出し確認を受けます。

表示方法届出書記載内容

  1. 輸入者の氏名と住所
  2. 酒類販売業免許証に記載されている販売場の住所
  3. 容器の容量
  4. 酒類の種類
  5. アルコール度数
  6. 発泡性(「発泡性」「炭酸ガス含有」等)
  7. 食品添加物(酸化防止剤、合成保存料等の名称)
  8. 未成年者の飲酒防止警告表示
  9. 容器識別表示(スチール、アルミ、PET、紙、プラスチックを材料とする容器については識別マークの表示が義務付けられています)
  10. 有機等の表示(有機農産物加工酒類の場合)
  11. 原材料
  12. 原産国
  13. 賞味期限又は品質保存期限
  14. 保存方法

酒類の容器・包装や酒類の陳列場所には、法令で定められている表示義務事項や表示基準に基づく表示事項を表示する必要があります。
果実酒等の製法品質に関する表示の基準が定められ、2018年10月30日以後「日本ワイン」と区別するため、輸入されたワインには「輸入ワイン」との表記と原産国を表示することが義務です。表示基準に規定された原材料以外でも、食品表示法その他の法令によって表示が義務付けられている添加物(酸化防止剤(亜硫酸塩)等)を使用した場合は、これを表示する必要があります。

ワイン輸入の大まかな手順

  • 販売しない場合
    届出等の手続は必要ありません。なお、携帯品又は別送品として酒類を輸入しようとする場合には、760mL程度×3本の範囲なら関税、消費税及び酒税が免除されます。
  • 販売する場合
    1.目的:自分の酒場、料理店等内で飲用させる
    輸入する場所を管轄する検疫所に、「食品等輸入届出書」を提出が必要です。
    2.目的:他者に販売する
    自分の酒場、料理店等内で飲用させる目的の場合と同様に、輸入する場所を管轄する検疫所に、「食品等輸入届出書」を提出が必要です。この届出に加えて、税関収納窓口に酒類販売業免許証(又は通知書)の写しとともに以下の項目を記載した「表示方法届出書」を提出しなければなりません

それでは手続きについてです。
下のイメージは厚生労働省がサイトに載せている概要図です。

出典:厚生労働省


ワインを輸入する際、厚生労働省検疫所に「食品等輸入届出書」と原材料及び製造工程に関する説明書や試験成績書、衛生証明書など必要書類を提出し、審査・検査を受けます。ワインには通常保存料のような食品添加物が使用されているので、食品添加物が指定外のものではないか、使用基準内であるか等のチェックがなされます。審査の結果、規格基準や安全性の確認が必要と判断されたものは検査が実施されます。検疫所での審査や検査の結果、同法上問題がなければ、「食品等輸入届出済証」が発行されます。不適格と判断されたものは輸入できないため、輸入者は積戻しや廃棄等の措置を取ります。

検疫所による審査・検査終了後、食品等輸入届出済証を通関書類とともに税関に提出します。この輸入通関申告の時に、関税・消費税のほか、アルコール含有度数により算定される酒税も同時に納付して手続きを終了します。
忘れてはいけないのが輸入・販売の許認可です。輸入手続きに入る前に先述の免許は既に持っている必要があります。

輸入する前のサンプルについて自主検査した結果は、一定要件を満たすことが確認できれば、本格的な輸入届出時に受け入れてもらえます。なので、少量を輸入し、その貨物で自主検査を行う方法は積戻しや廃棄等の措置の危険を抑えられ、食品衛生法の確認、現地からの運賃、関税等の確認もできます。
厚生労働省のサイトに登録検査機関が掲載されています。

なお一般関税は15%又は125円/Lの低い税率で、簡易税率(課税価格の合計額が20万円以下の一般輸入貨物及び国際郵便物に対して適用される税率)は70円/L。そして酒税は80,000円/KLです。課税価格の合計額が1万円以下の場合には、関税及び消費税は免除されます。
ワインの輸入は見ての通り煩雑です。輸入手続きをシンプルにするShippioにお任せください。

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