B/L 約款、何が書いてある?

2020-01-15

輸出、輸入するときに必ず手にするB/L(Bill of Lading、船荷証券)の約款について、今回はご紹介します。


B/L 約款とは運送会社が用いる運送契約の基本事項のことで、荷主や船会社の所有権や責任が明確化されています。


今回はB/Lの定める契約事項を国際条約や日本の法律を交えながら、貨物にダメージがあったときの事例を用いて、B/L約款についてご紹介します。


B/L約款とは

まず、B/Lには4つの役割があります。


① 運送契約の証拠:(運送の詳細や引き渡しの条件を明示)

② 貨物の受領書:(船会社が輸出者の貨物を受け取ったことを証明する)

③ 有価証券:(裏書きによって実質的に他者に貨物の所有権譲渡が可能)

④ 貨物の引取証:荷揚港で貨物を引き取るときに必要



一口にB/Lといっても様々な種類が存在しますが、詳しく『B/L(Bill of Lading)のあれこれ』で解説しています。

https://www.shippio.io/blog/terms-billoflading-ja

B/L発行者(船会社やフォワーダー)は、これら4つの役割を定めるために、B/L表面と裏面に約款という形で契約条項を書き込んでいます。その内容は、B/L発行者と不特定多数の荷主との運送契約を定型化したものとなっています。

B/L自体は個々の運送企業が発行しているものですが、どの企業のものでも基本的には国際条約に基づいて内容が統一されています。

Shippio BL 裏面


上記画像は、裏面約款(りめんやっかん)と呼ばれており、B/Lの裏面に英文で様々な条項が盛り込まれています。

B/L約款の歴史、国際条約

まずは国際的な取り決めである4つの条約についてご紹介します。

下記の図のような国際条約が世界では使用されています。


時代背景としては、1960年代の「コンテナ革命」による実情と乖離した条約ヘーグヴィス・ルールが追加されています。


一方で、ハンブルグ・ルールは開発途上国が、先進国の船会社有利のヘーグヴィス・ルールに疑問を投げかけたことにより、発祥しています。


さらに、ロッテルダム・ルールズは電子船荷証券の条項が盛り込まれる流れとなっています。しかし、ロッテルダム・ルールズは20ヶ国以上の批准を条件のため、未だに発行されていません。


B/L約款、日本国内では

日本ではヘーグ・ヴィスビー・ルールを基にした国際海上物品運送法が1957年に施行され、日本国内・日本企業のB/L約款のベースになっていることが多いです。


B/L約款では基本的には用語の定義に始まり、荷主と船会社の責任範囲についてが書かれてあります。例えば、危険品・禁制品を荷主が法律・規則・条約を守らずに船会社に渡した場合、船会社が処分でき、荷主が損失を負担するといったことです。


直近では、平成30年に、「危険物の運送を委託する荷送人は,運送人に対し,その安全な運送に必要な情報を通知する義務を負うとの規定や,運送品の滅失等についての運送人の責任は,その引渡しの日から1年以内に裁判上の請求がされないときは消滅するとの規定を設けるなど,運送全般に関する規定の整備を行うこととしています」(『商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律について』http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00219.html

という改正がされています。


この危険物の運送に関しては、弊社のwaybillには12.DANGEROUS GOODS AND CONTRABAND に記載があります。

このようにどの会社のB/Lを見ても危険物運送の条項を見つけることができます。


実務上のB/L約款

貿易実務において約款の条項が適用される場合は、不測の事態が起こった時です。

例えば、運送途中で貨物にダメージがあった時です。水濡れや破損、荷崩れなどです。
貨物のダメージについて、運送契約を結んでいるため、荷主は船会社に対しての損害賠償請求はもちろん可能です。しかし、B/Lの約款には、荷主に立証責任を課している条項が必ず記載があるため、どう処理するかが論点となります。

ダメージが見つかった場合は、船会社に対して引き渡し後3日以内に予備クレーム(Notice of Claim)を行わなければならないということもB/Lの約款に記載があります。その後、本クレーム(Final Claim)を行わならければなりません。日本では、引き渡し後、請求期限は1年以内となっています。

クレーム処理は国や船会社によって異なるため、運送契約を行う際はしっかりと把握して、適切に行う必要があります。クレームは船をブッキングした会社が行うため、実際には通常はフォワーダーを介してクレームを行われます。


また、船会社側が過失を認めた場合に請求できる金額についても、約款に記載があります。

ヘーグ・ヴィスビー・ルールでは、1梱包もしくは1単位あたり666.67SDRまたは総重量1kgにつき2SDRのいずれか高い方となっています。そのため、日本やヘーグ・ヴィスビー・ルールに批准している国のB/Lの約款には上記の金額がB/Lの約款に記載があります。

SDRとは国際通貨基金(IMF)が定めた特別引出権(Special Drawing Rights)のことです。具体的には2019年12月21日時点では151円/SDRです。


B/Lの約款は英文で細かく書かれていますが、基本的には国際条約に基づいて画一的な内容が記載されています。難しく考える必要はなく、運送会社との契約でどのような事項があるか、把握していれば問題はありません。

また、各会社のB/L約款を読み比べてみるのも面白いかもしれません。

ONE:B/L約款

https://jp.one-line.com/ja/standard-page/b/l-terms


日本通運:B/L裏面約款

https://www2.nittsu.co.jp/ebooking/eb_blcla_01.do


郵船ロジスティクス:約款

https://www.yusen-logistics.com/jp/japan/support-information/terms-and-conditions


近鉄エクスプレス:運送約款・倉庫約款

https://www.kwe.co.jp/useful/note/stipulation





私達Shippioは国際輸送を手配するフォワーダーです。

国際輸送の見積り、実際の輸送手配から支払いまでShippioのプラットフォームで一元管理できます。国際輸送を考えられている方はお気軽にShippioまでご相談下さい !

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Reference

Photo by Freshh Connection on Unsplash

JETRO:「国際海上物品運送法」と船荷証券に関する国際条約(ヘーグ・ルール等):日本

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-A11052.html


JETRO:保険をかけていない時

貨物保険をかけ忘れた場合の船会社への損害賠償請求

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-A11049.html


IMF:特別引き出し権(SDR)

https://www.imf.org/ja/About/Factsheets/Sheets/2016/08/01/14/51/Special-Drawing-Right-SDR

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