通関作業とは?|輸出通関・輸出通関それぞれの流れや必要な書類などを解説

2023.05.12

この記事では、国際物流や通関業務を手配するデジタルフォワーダーのShippioが通関作業・通関業務について解説します。‍

 

国際輸送の際、通関作業は通関業者に依頼することができます。通関は手続きや書類作成に時間がかかり、煩雑になりがちなので通関業者に任せっきりで、通関業務に関してほとんど理解していない、という方も多くいらっしゃるかもしれません。

 

しかし荷主の方も、通関の流れ・背景を理解することで、貿易業務の精度やトラブル時の対応スピードを上げることができます。ぜひ記事をよんで通関作業について理解を深めてください。

通関作業・通関業務ってなに?

通関業務とは、貿易する際の行政に対する輸出入に必要な手続きや申請のことを指します。
通関作業を怠り、輸出入に必要な手続き・申請を提出しない貨物は「密輸」になります。また手続きの不備や虚偽の申告も「密輸」の扱いとなり、関税法109条の法令で罰則を受けます。

<関税法第109条>
「輸入してはならない貨物」に掲げる貨物を輸入した者は、10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

通関手続きの詳細

  • 通関業務の代理代行
  • 通関書類の作成

 

など、通関に関するあらゆる業務の総称は「通関業務」と呼ばれます。税関長から業としてこの通関業務を行うことを許可された者のことを通関業者と言います。

▼通関業務にまつわる手続き

  • 輸出、積戻し又は輸入の申告から、それぞれの許可を得るまでの手続
  • 特例輸入者の承認の申請から、その承認を得るまでの手続
  • 特定輸出者の承認の申請から、その承認を得るまでの手続
  • 船用品又は機用品の積込みの申告から、その承認を得るまでの手続
  • 保税蔵置場、保税工場、若しくは総合保税地域に外国貨物を置くことの申請から、その承認を得るまでの手続
  • 保税工場又は総合保税地域において外国貨物を保税作業に使用することの申請から、承認を得るまでの手続
  • 総合保税地域において外国貨物を展示・使用することの申請から、その承認を得るまでの手続
  • 保税展示場に入れる外国貨物について、積卸、蔵置、内容の点検・改装、展示・使用等をすることの申告から、その承認を得るまでの手続
  • 関税法その他関税に関する法令によってされた処分につき、行政不服審査法又は関税法の規定に基づいて、税関長又は財務大臣に対してする不服申立て
  • 上記の通関手続や不服申立て、関税法その他関税に関する法令の規定に基づく税関官署の調査、検査若しくは処分について、税関官署に対してする主張又は陳述

輸出通関業務の流れ

輸出通関の作業の流れをご説明します。
輸出者は必要書類(インボイスとパッキングリスト)を用意し、フォワーダーに輸出の指示を出します。そこからフォワーダーが船の手配や搬入、書類の作成を行います。

▼輸出の一連の流れ

  • 積載する船舶・航空機の手配
  • 輸出する貨物を保税蔵置場へ搬入
  • 貨物を搬入した保税蔵置場を管轄する税関官署に輸出申告
  • 輸出申告のため、輸出申告書、インボイス、他法令関係書類を税関に提出
  • 税関で書類を審査し、必要に応じ検査を行なった後、輸出許可書が発行される
  • 保税蔵置場から貨物を搬出し、船舶・航空機に積載する

輸出通関に必要な書類

輸出申告は、必要事項を記載した「輸出申告書」を税関長に提出することにより行いますが、輸出申告書の添付書類として、必要に応じて、次の書類が必要となります。

 

  • 輸出関係他法令の許可・承認証等(他法令該当貨物の場合)
  • 関税定率法等の規定により、関税の軽減、免除又は払い戻しに関連して輸出申告に際し必要とされている特定の書類
  • 消費税及び地方消費税を除く内国消費税の輸出免除を受ける貨物、輸出免税物品輸出証明申請書又は輸出申告書付表

他にも、関税法以外の法令で許可、承認等の輸出規制が行われている貨物を輸出する際には、税関への申告にあたり当該許可・承認書等を提出する必要があります。


‍通関士は貨物の分類や税率を決定して通関書類を作成して、申告書に記載する内容(使用する通貨、インコタームズ、仕向地、原産地等)がインボイスと同じかチェックし、貿易管理令、他法令の該当・非該当と必要書類の確認、HSコード(統計品目番号)をつけるため貨物の分類し、その他申告許可に必要な書類を揃えます。

輸入通関業務の流れ

輸入者はインボイス、パッキングリスト、アライバルノーティス、船荷証券を輸出者やフォワーダーから入手しましょう。商品によっては、特恵原産地証明書などの書類も必要になります。以下が輸入の一連の流れです。

▼輸入の一連の流れ

  • 保税地域への搬入。
  • 必要な書類を添付して輸入(納税)申告書を税関に提出し、輸入申告を行う。
  • 税関が申告書類を審査し、必要に応じて検査。
  • 輸入者が関税・消費税等納付後・輸入許可が交付される。
  • 輸入者は輸入貨物を保税地域から引き取り、国内貨物として流通させる。


輸入申告は、原則として貨物が保税地域に搬入された後に行うことになります。税関での検査では現物を全て現地で見るのではなく、大型のX線検査場でコンテナごとにX線に通し、問題が無ければ許可を出します。検査に少しでも問題があれば、現物を確認する開披検査を行います。

輸出通関に必要な書類

輸入申告は、

  • 船会社に行き、運送契約に係る書類を入手
  • 輸出者から送られてきた仕入書

 

などが必要です。

輸出通関は、原則として貨物保管地域が管轄している税関官署で行います。また、関税納付は輸入許可書をもらうためには必ず必要で、税額は輸入であれば、関税×CIF価格で算定されます。

さらに、必要に応じて、次の書類が必要となります。


  • 運賃明細書
  • 保険証券
  • 原産地証明書
  • 諸官庁の許可書・承認書

輸入申告し納税を行います。その後、他法令も確認・合格すると、正式な輸入許可がおります。しかし、輸入する品目によっては国内の法律による規制がある場合もありますので、事前に十分な調査が必要です。

まとめ

ここまでご紹介した通り、通関業務は書類作成に要する時間や法律などの専門的な知識が必要となるため、自身で取り組もうとすると非常に多くの手間と時間が掛かります。

通関業者に委託すると、間違いを回避でき、迅速な通関が期待できます。

加えて、現在では通関業務においてNACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)というシステムを使い、電子申告することが主流になっています。電子申告するためには、通関業者の専用システムからNACCSへアクセスして行う必要があります。このため一般の輸入者が電子申告をする場合は、通関業者に申告手続きを依頼することになります。

‍また、申告のほかにも検査や届出など、様々な申告または申請に対する許可が必要で、その手続きは非常に煩雑で時間もかかります。手間や専門的知識を考慮すると、通関業者に委託する方が確実で迅速かつ一般的です。

通関業者は、日本通関業連合会や国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)のウェブサイトで、輸入する品目に対する専門知識・経験を有する適切な通関業者を検索、選択できます。
また、Shippioでも通関業務を取り扱うことが可能です。2022年9月には通関事業者である協和海運をグループ会社に迎え入れました。

 

協和海運株式会社の当社グループへの参画に関するお知らせ

Shippio は国際輸送を手配するデジタルフォワーダーです。通関や輸送に関して何か気になる点ございましたら、お気軽にお問い合わせ/資料請求ください。

 

 

 

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