Waybill...ご存知...!?

“気軽にできる貿易”をテーマに必要な書類・手続き、知っておくべき用語などを紹介していきます。今回は海上輸送に使われるWaybill、Sea waybillについてです。
B/Lについては取り扱った以前のブログでも言及しましたが、コンテナ船の高速化に伴い、Waybillを使った貨物の引き渡しが増加しています。そんなWaybillについてのお話です。B/Lについてはこちらの記事をご覧ください。

WaybillはAir waybillとSea waybillの2つあります。今回この記事ではSea Waybill(SWB)を扱います。Sea waybill(SWB)は、1974年Air Waybillの仕組みを海上貨物に適用し、B/Lの遅着問題の解決や貿易書類取扱業務の効率化を図るために"Non-Negotiable Liner Waybill"として作られたのがはじまりといわれてます。

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では、見ていきましょう。

Waybill#とは

Sea waybill(海上運送状・SWB、以下Waybill)は、貨物の受領書と運送引受条件記載書を兼ねたもので、記載事項欄はB/L(Bill of lading)と同じです。B/Lと異なる点は有価証券ではない点です。Waybillは 貨物の船積み後に船会社から交付される受取証に過ぎません。貨物引き取り時にWaybill原本を提示する必要はなく、海上運送状に記載された荷受人(Consignee)であることが確認できれば貨物の引き取りができます。

Waybillでの貨物の受け取り方は以下の手順を踏みます。

  1. 船が到着する際に、Arrival Notice(到着案内)という書類が、WaybillのNotify Party(到着送付先)欄に記載された宛先に届きます。
  2. その届いたArrival Noticeに、WaybillのConsignee(荷受人, 通常は輸入者)がサインする。
  3. そのサイン付きArrival Noticeが貨物の引き換え証となり、貨物を受け取れるようになります。つまり、貨物引換証の役割は、荷受人がサインしたArrival Noticeが担います。

B/Lを使わずWaybillを用いると、輸出者(荷送人)は船会社からWaybillを受け取ったらすぐに輸入者(荷受人)にメールやFaxで送るだけでいいので、B/Lの原本を送らなくてはいけない手間を省くことができ、Waybillは貨物を本船から荷揚げするまで、荷送人が荷揚地、荷受人などの変更を指示することができます。また、B/Lの輸送時間のために、貨物引き渡しが制約されることはないので、迅速に貨物を引き取ることができます。このようにWaybillを使う輸送は、輸出者と輸入者双方にとって、B/Lを使った取引より手間や時間が短縮されると考えられます。

コンテナの輸出入では、コンテナ船の高速化、BLのオリジナルのハンドリングに比べて手続きや業務がシンプルになるため、Waybillが主流になっています。Shippioでも自社でWaybillを発行しておりますので、是非お試しください。

ここまでご説明してきたように、Waybillは書類発送の手間が減ること、時間短縮されることがメリットです。またL/C取引(信用状取引)で使用できない点、印紙税が課税される可能性がある点の2点は留意しておきましょう。

まず、Waybillは有価証券ではないためL/Cの担保にならず、L/C取引で使用されません。また、日本では、Waybillは印紙税法別表第一の1号の4文書(運送に関する契約書)として取り扱われ、印紙税の課税対象となる可能性があります。そのため、Waybillには具体的な運賃額の記載はせず(as arrangedなどと表記)、印紙税の課税対象となるオリジナルのWaybillを1通のみ発行します。

WaybillとサレンダードB/Lの違い

WaybillとオリジナルB/Lとの違いは、B/Lは貨物の引き取り請求権を化体しており、書類の譲渡が貨物の譲渡になる有価証券であるのに対し、Waybillには有価証券の性質がないことです。
では、Waybillと本来B/Lが持つ有価証券としての機能を無くしたサレンダードB/Lとの違いは何か。

重要な違いは、Waybillは国際商業会議所(ICC)が制定する信用状統一規則に「流通性のない海上運送状(第21条)」としてその取り扱いについての規定があるのに対して、サレンダードB/Lはそういった規定がないことです。

Waybillは通常のB/Lと同じように国内法の適用が受けられると共に、国際統一ルール(CMI (万国海法会, Comite Maritime International)がとりきめるCMI統一規則)によって輸出入国間での標準的な運用が明確化できます。
一方で、サレンダードB/Lは法的な裏付けがないので、運送人(船会社)および荷受人、荷送人、荷主との関係で極めて不確定な要素が多く、トラブルが起きた時、実際にそれぞれ裁判をやってみないと最終的な結論が分からないことがあります。

サレンダードB/Lは時に、元地回収の確認が取れるまで貨物の引き取りをすることができず、貨物の引き取りに時間を要するなど、運送人との間でのトラブルが発生することがあることがあります。一方、Waybillは、貨物の引渡請求権を表する有価証券ではないので、Waybillに記載された荷受人であることを運送人が確認できれば、Waybillを呈示する必要もなく、貨物を引き取ることができます

国際規定のあるWaybillに対して、サレンダードB/Lはそのような適用される国際的なルールがなく、紛争解決にリスクを伴います。コンテナ船のトランジットタイムの短いアジア域内の航路での取引でサレンダードB/Lは一般的に使用されていますが、国際的なルールがないというリスクはご承知おきください。
また、国連(UNECE勧告12号)や一般財団法人日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)は、リスクを低減させ、電子化を促進するためにもWaybillの利用を推奨しています。

Waybillが…使えない!?

2015年という少し古い情報ですが、Waybillの使用が輸入通関で認められない…という国も存在します。アフリカや南米の国々です。ブラジル、アルゼンチン、コロンビアの3国のその詳細を少しご紹介します。当該国への輸出の際や、現地で輸入をお考えの方は知っておいてもいいかもしれません。

ブラジル
ブラジルでの輸入通関手続きは、事前に登録された事業者が「SISCOMEX」というシステムに、DI Extracto という輸入申請基礎文書が作成し、このコピーを国税局(Unidad de Servicio de Impuestos Internos)に提出します。これに伴って必要となる添付書類として、インボイスやパッキングリスト等の他に、B/L原本の提出が要求されています。航空貨物についてはAir Waybill で代用されますが、海上貨物においては現状ではWaybillは輸入通関に適合する添付書類とされていません。
現在ブラジルの輸入通関効率化に向けた動きは大きく変わっているようです。
ブラジルの“貨物の到着してもB/Lが手元に届かない”という問題へは「Linha Azul (迅速通関カテゴリー)」という輸入通関区分が設けるなどして対処しています。今後、B/L原本提出についても見直されるのではないかと言われています。

アルゼンチン
ブラジル同様、アルゼンチンも輸入通関手続きにおいてB/Lが要求されています。
アルゼンチン向けのB/Lには、荷送人と積載船舶の船長の肉筆サインが必要です。ただ、ライセンスを事前に取得した事業者が、電子署名した電子文書であれば代用可能です。また、アルゼンチンの関税法では、B/L 等輸入通関に必要な書類が間に合わなかった場合、減免税の権利を保留した上で、銀行保証状の差入れにより貨物の引取りが可能となっています。

コロンビア
コロンビアにおける通関で必要な書類の中に運送書類というものがあります。運送書類は“運送人、あるいはその代理人が運送契約の証左、目的地において荷受人に引渡されるべき貨物の受領証、あるいは裏書譲渡の対象文書として発行する書類の総称”。と規定されています。しかし、Waybillは有価証券ではなく、譲渡も不可能であるとされ、規定を満たさず輸入通関には使用できません。

いかがでしたでしょうか?Waybillは国連やJASTPRO、JIFFA(国際フレイトフォワダー協会)などからその使用を推奨されているものです。貨物の引き取りをスムーズにできるので、その後のスケジュールも立てやすいことと思います。Waybillに限らず、もし貨物の国際輸送に関してご相談事ございましたら、お気軽にお問い合わせください


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[reference]

JETRO
サレンダードB/Lと海上運送状(Sea Waybill)の違い
サレンダードB/Lの仕組みと留意点:日本
JASTPRO
H26年3月 平成25年度海上運送書類に関する手続き簡素化に向けた調査研究委員会報告書
JIFFA
2015年7月 JIFFA NEWS197号

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