6桁?9桁?どう調べて、どう見るの?

“気軽にできる貿易”をテーマに必要な書類・手続き、知っておくべき用語などを紹介していきます。
今回はHSコードについてお話しします。HSコードは関税に深く関わるものなので、国際輸送を語る上で大切なものです。ですが実際、荷主の方からすると、HSコードを特に意識しなくても輸送自体は滞りないと思われるかもしれません。しかし、2019年になりTPPやEPAなどの自由貿易協定が発効され、原産地証明書を用意する必要性が今後さらに高まるでしょう。その原産地証明書の準備にHSコードは必要です。大まかにHSコードを知ることで、自由貿易協定とその特恵関税をより身近なものにしましょう。
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「調べ方」の前に…HSコード#とは

まず、HSコードとは「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められた番号のことです。世界税関機構(WCO)が管理している同条約には、日本やEUを含めた約160ヶ国が加盟しています。また、非加盟国であってもHSコードを使用している国があり、それらを含めると約200の国と地域がHSコードを使用しており、日本語では「輸出入統計品目番号」、「関税番号」、「税番」などと呼ばれ、財務省が出す貿易統計などの輸出入に関わるデータはこのHSコードによる種類分けに基づいて統計が取られています。HSの分類改訂は、時代の流れに沿ってほぼ5年ごとに見直しされ、最新では2017年1月1日に改正されました。
輸出入をする際には、貨物はいずれかの品目コード(日本では、9桁の統計番号)に分類されます。その品目コードを調べると、関税率、原産地規則がわかります。

HSコードは、全ての貿易対象品目を21の「部」(Section)に大分類し、6桁の数字で表し、これを号(Sub-heading)といいます。6桁のうち上2桁を類(Chapter)、類を含む上4桁を項(Heading)と呼ばれます。この6桁までは世界共通ですが、7桁目からは国別に定められた細分方法が使われます。日本ではこの6桁の号に「統計細分=下3桁」を加えた番号からなる9桁で定められています。最近ではNACCS(国際輸出入貨物に関する税関手続きの電子情報システム)用に第10桁目をつけることもあります。このようにHS条約加盟国は、国内法に基づいて「号」の下を細分化することができます。「号」の6桁はHS加盟国・準拠国が同じルールで分類するため各国共通です。そのため、現地語の関税率表から輸入税率を調べる場合、同一の番号であれば同一品目を示すことを踏まえると、現地語が分からなくても日本の関税率表のコードと対比させれば容易に関税率が判ります。

(出典:日本商工会議所

後述しますが、経済連携協定(EPA)の原産地規則や関税率は最新版の2017版ではなく、協定締約時または交渉時のHSコードにより規程されます。
経済連携協定(EPA)税率を適用する時の原産地規則や関税率はHSコードにより規程されているので、自由貿易の勢い高まる日本で貿易するならHSコードに関する正しい理解は必要です。

色々ある“HSコード”

HSコードは約160の国と地域で使われている一方で、HSコードを使わない貿易量が多い国もあります。例えばアメリカやブラジルなどです。それぞれアメリカではHTSコード、ブラジルではNCMコードという番号が振られ、他にも、ASEANではAHTNコード、EUではCNコードといった域内での関税同盟などを構築しているケースでは、域内で共通の関税分類番号を用いることあります。

HTSコード

アメリカの“HSコード”。HTSコードは(Harmonized Tariff Schedule)コードとは、国際的に統一されている関税システムを米国に適用する為につくられたものです。互換性はありません。HSコードの基本品目分類番号は6桁ですが、HTSではこれを4桁に変更し、この4桁の末尾に、2桁と4桁の拡張コードをつけて品目の確定を行っています。

NCMコード

MERCOSUR(メルコスール、南米南部共同市場)に加盟している国は、そのHSコードもMERCOSURと共通のものを使っています。ブラジルやMERCOSURではHSコードとは呼ばず、NCMコード(「Nomenclature Comum do MERCOSUL」の頭文字)と呼びます。メルコスールは関税同盟であるため、加盟国間では無関税で、加盟国外との貿易での関税率は、加盟国で統一して同じ税率にしています。関税の計算が非常に複雑、かつ高額であることも知られています。このNCMコードおよび関税に関しては、ブラジル連邦政府も関税シミュレータ(リンク)をウェブ上で公開していますので、どのような諸税が課せられるのか確認や計算に使うこともできます。ご自身で調べるなら、実際の輸入関税や諸税は現地の信頼できる通関ブローカー等を通じて確認するのがよいです。そして、ブラジルに輸出する場合はHSコードのかわりに使われているNCMコードを、輸出側でもインボイスに記載する必要があり、これが現地で品物のコードとしては認められないという話になると罰金や通関手続きの遅れを引き起こす恐れがあります。その他、輸入者側の納税者番号ともいわれるCNPJ番号もインボイスに記載しておく必要があるため、ブラジルへの輸出は現地の輸入側との密なコンタクトが必要です。

一番確実なHSコードの調べ方

ここまでで、HSコードの概要についてご紹介してきました。ある品目がどのHSコードに属すかの判断は専門知識を要します。輸入の際、輸出者が通知してきたコードを安易に使って輸入手続を進めると、後に申告書類の訂正や修正申告が必要になることがあります。初めての品目を輸入する際は、事前にHSコードや関税率について確認しておくと良いでしょう。また経済連携協定税率を適用する場合も、原産地規則や関税率はHSコードにより規程されているので、HSコードに関する正しい理解が必要です。
HSコードは日本関税協会のWebタリフで一覧を見ながら調べることができます。しかし、荷主の方ご自身でHSコードを調べる際に一番確実な方法は税関の「関税分類の事前教示制度」の利用です。

事前教示制度のやり方は以下の通りです。
詳しくは税関「輸出入通関手続きの便利な制度」をご覧ください。
また必要な文書は税関のHP関税法関係[C様式]に全てあります。

文書による事前教示の照会は「事前教示に関する照会書(C-1000号)」1通と見本などの参考となる資料(見本に代わる写真、図面等)を、輸入を予定している税関に提出します。あとは結果待ちです。原則30日以内に税関から「事前教示回答書(変更通知書兼用)」が送付されます。税関から回答した文書(事前教示回答書)の回答内容は3年間、評価申告及び輸入(納税)申告の審査の際に尊重されます

Eメールによる照会に際しては、
Eメール本文に

  1. 照会日
  2. 照会者の氏名等の連絡先
  3. 輸出入者符号(ある場合)
  4. 貨物の名称、単価及び製造地
  5. 輸入予定官署
  6. 照会貨物に係る事前教示実績の有無及び類似貨物に係わる輸入実績の有無
  7. 照会貨物の説明(製法、性状、成分割合、構造、機能、用途、包装等)
  8. 照会者の関税率表適用上の所属区分等に関する意見の項目
  9. 架空の貨物に係る照会ではない旨
  10. 照会者及びその利害関係者が、照会する貨物について不服申立て又は訴訟中である等、関税率表適用上 所属区分等に係る紛争中である貨物に係る照会ではない旨
  11. 輸入申告中の貨物に係る照会ではない旨
  12. 輸入しようとする貨物の輸入者若しくは輸出者若しくは当該貨物の製法、性状等を把握している利害関係者又はこれらの代理人以外による照会ではない旨

を記載して下さい。原則として当輸入予定地を管轄している税関の事前教示用メールアドレスに送付することにより照会を行うことができます。一照会で一品に限られ、記載された連絡先メールアドレス宛てにメールで回答されます。
照会事項である関税率表適用上の所属区分等を決定するために必要があると思われる当該貨物の製法、性状、成分割合、構造、機能、用途、包装等について可能な限り入力します。もし製法、成分割合等の機密にかかる事項がある場合、セキュリティの問題がありますので、Eメールによる照会はできません。

なお、注意点としてはEメールによる事前教示は、口頭による事前教示と同じ取扱いとなり、輸入申告時の税関の審査において尊重されるものではありません。しかし、特定の手続きを踏むと文書での事前教示と同等の申請にすることができます

以上が手続きです。フォワーダーや通関業者が荷主の方に、輸送する貨物に関して色々お尋ねすることが多々ありますが、やはり手軽さを求めるならフォワーダーや通関業者に依頼するのが一番だと思います。お気軽にお問い合わせください

HSコードの調べ方はTPPでは武器になる!?

冒頭でもお伝えしましたが、正確なHSコードがわかると自由貿易協定で使うことができます。TPPやEPAの特恵関税を利用するには特定原産地証明書が必要で、特定原産地証明書に記載するHSコードは、輸入相手国の6桁のHSコードです。TPP、EPAを利用する際に注意することは、品目コードの号=6桁までは世界共通であり、日本側で調べた品目コードと取引相手国が調べた品目コードの6桁が一致することが必要だということです。なので、日本で正確なHSコードを把握できることでEPAやTPPの恩恵をスムーズに受けられます。しかしながら、商品によっては品目分類の解釈が複雑で、お互いの国の品目分類が異なり品目コードが一致してない場合があります。すると商品が一致せず、特恵関税の利用ができなくなることがあるため、事前に相手国の輸出入者を通じて、品目コードが一致しているかどうか必ず確認することをお勧めします。

先述どおり、経済連携協定の原産地規則や関税率は最新版の2017版ではなく、協定締約時または交渉時のHSコードにより規定されます。
シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、アセアン、フィリピンとのEPAは2002年版
スイス、ベトナム、インド、ペルーとのEPAは2007年版
オーストラリア、モンゴルとのEPAは2012年版HSコードに基づいています。
日欧EPAやTPPなど自由貿易協定の発効がなされ、この関税撤廃の恩恵を受けるなら今後この原産地証明は必要になります。輸送依頼する貨物について一度ご自身で調べられるのもいいかもしれません。
貨物を運ぶに際して、Shippioでなら、ご一緒にHSコードを調べさせて頂く際もWeb上のプラットフォームでやり取りさせて頂きますので、過去のメールを遡る必要ないスムーズなやりとりが可能です。輸出入には、ぜひShippioのシームレスなプラットフォームをご活用ください。


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[reference]

日本商工会議所
税関「輸出入通関手続きの便利な制度」

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