一筋縄ではいかない、食品の輸入

”気軽にできる貿易”をテーマに、必要な書類・手続き、知っておくべき用語などを紹介していきます。

今回は食品の輸入に関してです。食料自給率が低い日本では、様々な種類の食品を、世界各地から日々大量に輸入しています。しかし、日本の行政や消費者は安全面に非常に敏感であり、輸入食品に対しては厳格な検査が課せられます。この記事では、食品輸入の動向、輸入時に気をつけるべき法規制の概観、そして特に食品衛生法の検査の手続き、についてご紹介していきます。(まず通常の通関手続きについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。)

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食品輸入の動向

まず、現在日本の食品輸入はどのような状況となっているかを確認しておきましょう。以下は、直近20年間の食品輸入額の推移です。

出典:農林水産省

食品の輸入額は近年上昇基調で、2018年には約9.7兆円に達しています。また、農産物の輸入額は年によって多少変動がある一方で、林産物や水産物の輸入額は比較的安定していることも読み取れます。

では、日本はどのような国から輸入をしているのでしょうか。輸入元の国を円グラフで図示したものが下図となります。

2017年の日本の国別食品輸入額(億円)

出典:農林水産省

上位5カ国を改めて整理すると

1位:米国  18,077億円

2位:中国  12,477億円

3位:カナダ   5,875億円

4位:タイ    5,715億円

5位:豪州    5,703億円

となります。2017年の食品総輸入額は93,732億円なので、米国と中国で全体の3割ほどを占めていることになります。内訳としては農産物が多いですが、東南アジアなど鮮度を保てる近場の国からは、水産物の輸入も比較的多いです。ほとんど地球の裏側のチリから水産物の輸入が多いのは一見意外ですが、これは冷凍しても品質が落ちにくいサーモンをチリから大量に輸入しているためです。

もう少し具体的に、どのような品目が輸入されているのかに ついても見ておきましょう。2018年の食品の輸入額TOP5は、

1位:たばこ    5,893億円

2位:豚肉     4,868億円

3位:牛肉     3,847億円

4位:とうもろこし 3,721億円

5位:生鮮/乾燥果実   3,478億円

となります。

食品輸入の際に気をつけるべき法規制

冒頭でも触れましたが、食品の輸入は、輸入時に留意するべき法規制・検査が非常に厳格です。フォワーダーに輸送手配をかける前に、輸入者自身で該当する法規制や必要な書類などを把握しておくと、その後の輸送がスムーズに進みます。食品を輸入する際に確認しておくべき法規制は、主に次の3つとなります。

・食品衛生法

販売目的で輸入する全ての食品が対象になります。また、食品用器具や乳幼児向けおもちゃも、食品衛生法の対象です。輸入の7日前から事前届出が可能で、届出後2日ほどで承認されます(検査に該当した場合は7営業日ほど)。具体的な手続きなどについては、次節で詳述します。

・植物防疫法

植物由来の食品(野菜、果物、穀類、スパイス etc.)が対象となります。生鮮物だけでなく、加工食品であっても加工度によって対象になり得ます。原則、検査は数十分~半日で終わります。植物防疫について詳しく確認したい方は、こちらの記事「その食品、植物防疫は大丈夫?」を是非ご参照ください!

・家畜伝染病予防法

動物防疫を定めた法律で、肉や肉加工品、卵などの動物由来の食品が対象となります。原則、貨物到着の前日までに申請します。

この他にも、輸入する品目によっては、酒類販売業免許や酒税法(酒類輸入の際の法規制に関する記事はこちら)、ワシントン条約、食糧法、塩事業法、加工原料乳生産者補給金暫定措置法などを確認しておく必要があります。原産地証明については、「原産地証明書を取得しよう!」に詳しくまとまっています!

これらの各検査をまとめると、輸入食品が日本市場に出るまでの全体的な流れは以下のようになります。

出典:対日貿易投資交流促進協会

食品輸入の関門、食品衛生法

ここでは、どんな輸入食品も必ず突破しなければならない食品衛生法の手続きについて、詳しくご紹介いたします。

【検査の流れ】

まず、食品衛生法にもとづく食品衛生検査の全体像は、以下のようになります。

食品衛生検査の流れ

出典:対日貿易投資交流促進協会

まず、販売用に輸入する食品は全て、検疫所へ輸入届出を出さなければなりません。輸入届出をしなくてもよいのは、自家消費する個人用、試験室や研究室で使用する試験研究用、サンプルなどの社内検討用、展示会などで使用する際の展示用(試食させる場合は届出必要)などです。

また、検査の場合は、モニタリング検査を除き、検査料は輸入者の負担となります。輸入する貨物が食品衛生法に適合していると判断されると、食品など輸入届出済証が発行され、税関での通関手続きに進むことが出来ます。一方で、法に違反すると判断されると、廃棄または積戻しとなりますが、その費用は輸入者が負担することになります。

【提出する書類】

申請に必要な書類は、品目や生産国によって異なりますが、基本的には以下のようになります。

○全食品共通

・食品等輸入届出書

輸出者や輸入者の情報、輸入貨物の内容など、基本的な情報を記入します。提出方法  としては、検疫所食品監視課へ窓口または郵送にて提出する方法と、FAINSというシス  テムを用いてオンライン上で記入/提出する方法があります。

○加工食品

品名、製造者名と所在地が確認できる書類

原材料表 (ingredient list)

使用した原料と添加物の具体的な科学名称を全て記載したもの。使用基準が定められた 添加物を使用している場合は、添加物質の使用量や使用目的、使用工程などを合わせて記 載する必要があります。

製造工程表 (food production flow chart)

原料から製品に至る工程を図にした書類。製造基準が定められている食品(清涼飲料水、ミネラルウォーター、レトルト食品等)の場合は、殺菌方法などより詳細な情報が必要になります。

また、品目によってはさらに以下のような書類が必要になる場合があります。

・放射線殺菌がされていない旨が書かれた製造者からの書類

・使用している牛肉の生産国や加工国、使用部位などを記した書類

・医薬品医療機器等法の定める医薬品成分への該当可否について確認した書類

・製造者による、製造工程や衛生管理についての詳細な書類

○生鮮食品

・輸出者、包装者を確認できる書類

・学名や品種などを確認できる書類

・原材料表と添加物の詳細を確認できる書類(添加物を使用している場合)

・輸出国政府機関が発行した衛生証明書(品目、生産国により必要な場合)

衛生証明書が必要になる食品の例としては、ふぐ、食肉・食肉加工品などです。

ここまで、食品の輸入について一通りご紹介してきました。食品の輸入は、法規制が厳しく、海を超えた輸出者側との連携なども必要になってくる分野です。各手続きはフォワーダーに依頼するとしても、必要な書類を不備なく揃えるために、輸入者側でも各制度を把握しておくことが肝要です。

また、食品を運ぶ際には鮮度などを考え、最適な輸送方法を選ぶことも重要です。「コンテナの種類、コンなにあるんだっテナ」なども是非合わせてご参照ください!

具体的にこの品物をこの国から輸入したいがどうすればよいのか、など、輸出入で不安なことがありましたらお気軽にShippioにご相談ください!

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References

JETRO       食品等輸入届出書の概要と提出先・提出方法等

一般社団法人 対日貿易投資交流促進協会 食品輸入の手引き 2017

農林水産省                 農林水産物輸出入統計

Photo by Brooke Lark on Unsplash